電脳獣
□HEARTBLADE11
2ページ/4ページ
緋色の翼に白銀の仮面。
その体は深紅の鎧に覆われ、コバルトブルーの瞳は獰猛な猛禽類のように敵を見据える。
絶対的かつ圧倒的な暴力という手段を持って、敵を殲滅する戦闘狂。
それが…
「それが、エンシェントグレイモン。不滅の炎をその身に纏い、天変地異を引き起こす存在」
天変地異。
つまりは世界にすら影響を及ぼす存在。
「自然災害なみじゃねぇかよ、おい」
「凄いよねー」
「というより寧ろ自然災害の方が優しいんじゃないか、コレ?」
あぁ、うん。
俺もそれは思った。
なんだろ。
なんて言えば良いんだろうな。
「グレイモン。エンシェントグレイモン。確かに俺はこんな綺麗なゾーンを壊すなとは言った」
確かに言った。
けどな?
「誰もネズミ捕る猫よろしく叩いてぶっ飛ばせなんて言ってないんだけど!!」
「喧しい子供だ」
「さも俺のせいみたいに言うんじゃない!」
ってか、ちょっ、こっち飛ばすなぁ!
いや真面目に怖いから!
なんで白い岩の固まりみたいなデジモンをそんな軽々ぶっ飛ばせんだよ。
「ったく…ヨウコモン、頼めるか」
「分かってるさ。
“邪炎龍”!」
…岩って燃えるんだな。
初めて知ったよ。