電脳獣

□HEARTBLADE16
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「ネネ!」
「なっ…タイキ!?」

タイキはルーチェモンを追って行った。
でもアイツ、確か飛べるデジモン持ってないだろ。

「あーあ…リロード、ぺガスモン、ネフェルティモン」
「…なんだ?」
「…なんだ?」
「“守衛機能”、お前等はタイキ達の力になってやってくれ」
「わかった」
「わかった」

“守衛機能”。
彼らなら、きっとタイキの良い戦力になってくれるだろ。
ーーさて。

「エンシェントグレイモン、ヨウコモンは一旦戻れ」
「………」
「わかったよ」

二人共、思いの外素直に戻ってくれた。
珍しい事もあるもんだ。

「さてと、やっぱ此処はオメガモンかな」

ふと、なんとなく。
銀のクロスローダーが目に止まった。
そこに入った二本の線。
青と橙の意思を継ぐものである証。

「…あれ…?」

本当に?
本当に、そうだったろうか。
一人残った空中神殿で、一人独白する。
俺はーー
“キズナ”はーー




「そうか、君はカーマイン。“あの男”の子供なのだね」





俺のクロスローダーからーーじゃない。
黒のクロスローダー。
ネネの落としたそれから、声がした。
こいつは…確かーー

「ダークナイトモン?」
「エンシェントグレイモン。彼は確かに“あの男”のチームのデジモンだったな」
「…何を…」

何を、言っているんだ?
“あの男”?
いや、だって…

【彼女のいない世界で生きる方が、私達には堪えられなかったのですわ】

そう。
エンシェントマーメイモンは“彼女”と言った。
カーマイン。
“あの男”ってーー

ザーッザーッ

「…っ…!」

頭にノイズが走る。
これはーー雨の日の…


「 」


誰かが何か言ったけど、もう俺には届かない。
ただ…。

【忘れなさい】

とても。
とても懐かしい誰かの声が聞こえた気がした。
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