電脳獣
□HEARTBLADE17
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「っ……ああああああああああああああああああっ!!!」
叫ぶ。
叫ぶ。
叫ぶ。
肺の中の空気を全て出す勢いで、絶叫する。
自分の絶叫で目を覚ます、なんて。
何年ぶりだっけ。
でも…そうか。
さっきのは夢。
悪い、夢…。
本当に?
「はっ…はっ…はっ…はっ…はぁ…」
俺…俺は。
雨の日にソファで寝て…そのままデジタルワールドに来て。
そうだ。
ネネを追ってヘブンゾーンに行って。
………あれ?
「そういや……ここ、どこだ?」
「キズナ!」
「大丈夫か!?」
辺りを覆う木々(というか視力が良くなりそうなくらい緑しかない)から、クダモンとヨウコモンがドン引きするくらい凄い勢いで出てきた。
……おぉう。
「えっと…多分?」
「多分!?」
ぐるぐるぐるぐる。
しっぽ追い掛けて走り回る犬のようにクダモンが俺の周りを走り回る。
あー、っと。
多分はまずかったかな?
「…ヨウコモンさん」
「んー?」
「ここはどこだ?」
「さぁ」
さぁ、ってオイ。
「わかんないのか?」
「寧ろコッチが聞きたいくらいさ」
「聞きたい?」
「キズナがオメガモンや“守衛機能”を置いて勝手にゾーン移動したんだろうが」
今いるのはアタシとクダモン、それにエンシェントマーメイモンだけだよ。
ヨウコモンはそう言ってヤレヤレだ、とどうにも人間臭くため息をついてくれた、
なんなんだ、本当に。
「……っつーか」
「ん?」
「俺どうやってゾーン移動したわけ?」
「それはコッチが聞きたいね」
「僕らにだってわかんないんだもん」
もん、ってお前。
「しっかし、オメガモン達は大丈夫かね」
クロスオープンも出来ずに、アイツらどうすんだろうな。
エンシェントグレイモンとオメガモンはどうとでもなりそうだろうけど…
「“守衛機能”……大丈夫か?」