電脳獣
□HEARTBLADE18
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あぁ、らしくない。
俺は傍観者だ。
いつも飄々として。
おちょくるのは俺の役割だったのに。
なんで俺はこんなにーー
「…こんなに熱くなってんだよっ…!」
わけがわからない。
こんなキャラじゃなかったろ。
そう思う。
でもーー。
「どーしたのー?もう降参しとくー?」
「するかよ!」
叫ぶ。
主導権が取り戻せない。
全部向こうもちだ。
いっそ拍手したくなるくらいに。
「…………」
飛んできた岩を、飛んで避ける。
初めこそドン引きしたけど、慣れればなんて事はない。
ただの馬鹿の一つ覚え。
「本当に…」
何を考えているんだかわからない。
だからこそーー、
「やれ、クダモン!!」
その余裕を全部ぶち壊して、真実を引きずり出してやる!
「 」
光が、森を包み込む。
ヨウコモンの炎によっての物じゃない。
もっと純粋で。
もっと混じり気のない。
聖なる光。
クダモンのホーリーリングから生み出される、正義の光。
「つっーー!!」
「きゃっ!?」
・・・・・・・・
来るとわかってた俺とは違う。
ロトスモンとインペリアルドラモンは、たまったもんじゃないだろ。
はっ、ざまぁ。
「今だ、エンシェントマーメイモン!」
「お任せ下さい」
ヨウコモンの背中に乗って移動してたエンシェントマーメイモンが、静かに右手をあげた。
それだけで風船のような水の玉が、無数に空に浮かぶ。
さーっすが。
良い仕事する。
「これで、このお遊びも終わりですわ」
エンシェントマーメイモンが、上げた手を振り下ろすーーいや、振り下ろそうとした。
その瞬間。
「さっ、せるかぁ!」
インペリアルドラモンが、叫ぶ。
意識した、わけじゃあないんだろう。
それは、ある意味当然な生存本能。
だからーー
「キズナ!?」
それは俺に普通に当たるワケだ。