電脳獣

□HEARTBLADE20
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不思議なもので。
頭にきてるはずなのに。
怒ってるはずなのに。
今までで一番、頭が冴え渡ってる。

「ネネ」

ビクッ、と。
ダークナイトモンとエンシェントグレイモンの後ろでネネが目で見てわかるほどに奮える。
同情は…しない。

「きっと、お前にはお前なりの大切な事情があるんだと思う」

それはわかる。

「でも、さ」

そう、でも。

「ゴメンな、ネネ」

今このタイミングでの謝罪はずるい。
わかってる。
でも、言っときたい。

「俺にも、譲れない理由があるんだよ」

これだけは。
お前にもタイキにも……譲れない。
絶対に。
すぅ。
息を吸う。

「戦えっ!」
「っ…!」
「戦え、ネネ!傷つける事からーー傷つく事から逃げるな!!」

この言葉はネネに。
そして、多分ーー俺自身に対しての物。

「証明してみろよ、俺に。お前の“力”で、お前の正しさを証明してみせろ!」

そう、そして。
代わりに俺も見せるよ。

「俺も、頑張るからさ」

ネネの目が、驚愕に見開かれる。
でも、それは一瞬。
すぐにあの気丈な瞳が俺を睨む。
そう。
それでいいんだ。

「私は……」

ネネの声に応えるかのように、ダークナイトモンがエンシェントグレイモンを押していく。

「私はユウと一緒に帰りたいだけなのっ!!」

エンシェントグレイモンが押し負けて、ぶっ飛ばされる。
マジかよ。

「俺、お前がやられる所始めて見たわ」
「ほざけ。次はない」
「そーこなくちゃな」

ホルダーから、銀のクロスローダーを取り出す。
俺は、別に正義の味方じゃないんでね。

「「クロスオープン!!」」

俺とネネ。
銀と黒。
二つのクロスローダーが、光を発する。
って、オイ。

「ははっ、笑えねぇ」

ダークナイトモンは、デジクロスした姿かよ。
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