電脳獣

□HEARTBLADE03
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グサッ

「ぎゃあああああ!!」
「…ぇ?」

空気を震わす絶叫と、クダモンの呆気に取られたような声。
今まで何も無かったぺガスモンの斜め後ろに胸にナイフが刺さった緑の蜥蜴みた
いなのがいきなり顕れた…瞬間消えた。

「…キズナ?」
「いや、なんか変なのが“見えた”からつい」

ナイフを投げちまった。
蜥蜴が光学迷彩?
やっぱおかしな世界だな。
なんでもありっぽいし。

「お前、コマンドラモンの光学迷彩が見えたというのか?」
「お前、コマンドラモンの光学迷彩が見えたというのか?」
「コマンドラモン?…光学迷彩っつったって要は“見えにくい”だけだからな」

見えない訳じゃないし、動けば音はするだろ。
そういった俺を二匹はぽかーんと間の抜けた顔をして見てくる。
なんかおかしな事言ったか?

「それが来た理由ってやつかい?」
「あぁ。…俺は戦闘に愛されてる。だから、“戦闘”という行為において俺は絶
対的強さを持ってる」
「戦闘の…天才って事?」
「そーゆう事」

簡単に言えば…の話だけど。
だからこそ、此処は俺の土壇場。

「人間」
「人間」
「…キズナだっての…なんだよ」
「他にもバグラ軍の奴らはいるか?」
「他にもバグラ軍の奴らはいるか?」
「うん?」

バグラ軍?

「奴ら…つまりアタシ達の敵さ」
「数だけは多い無能集団だしね」
「…へぇ」

クダモンが無能っていうのはなんかなぁ。
珍しい…っていうほど一緒にいないか。

「ヨウコモン達の敵なら俺の敵、か。……バグラ軍はいねぇよ、近くには」

俺は視線をヨウコモン達から一度上に上げる。
そこにはどこまでも澄んだ空が広がってた。
さーって、おもしろくなってきやがった。
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