□4.転入
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「京都から来ました、砂崎鈴です。宜しくお願いします。」


軽く頭を下げ、当り障りの無い転入生の挨拶を終える。

「席はそこの…窓側一番後ろだ。」

先生に言われその席に目を向けると、隣の席の、重力に反した茶髪男子が目に入った。

ちなみに先生とは零崎軋識……否、式岸軋騎。

言われた席につき、転入生おなじみの質問攻めに耐え、少しため息をつく。
「(いくら此処に任務対象がいるって言ってもね…。)」

考え事をしていると隣の重力に反した茶髪男子が話し掛けてきた。

「あ…あのっ!オレ、沢田綱吉です。宜しくね。」
「あぁ…。砂崎鈴。宜しく沢田君。」
知ってるだろうけどね。と呟く。
「あ、ツナで良いよ。皆そう呼んでるし。適当に呼んで。」
「分かった。………じゃあ、《ツナ缶》で。」
「なっ!!」

薄く笑いながらからかうと、会話の最中に近くまできていた2人のうちの、
明らかに不良の銀髪少年の方が絡んできた。

「テメェ!十代目になんて事言ってやがんだっ!」
「十…代目?」
「まーまー落ち着けって。獄寺。からかってるだけだろー?」
「うるせー!野球馬鹿!テメェは黙ってろっ!」

ツナの後ろで銀髪少年が鈴に威嚇し、それを野球馬鹿と言われたさわやか系の少年がおさめていた。

「私も鈴で良いよ…ツナ君」
少し苦笑しながらツナに言う。
「わかった。……ちょ!獄寺君!喧嘩しないでって!!」

鈴が2人の方へ顔を向けると、銀髪少年が黒髪さわやか系の少年の胸倉を掴んでいた。
ツナが急いで仲裁に入り、喧嘩は収まった。
そして2人は近づいてきて、鈴に自己紹介をした。

「俺は山本武なのなー。よろしくー。」
「…獄寺隼人だ。10代目に迷惑かけんじゃねーぞっ!」
「2人とも宜しく。鈴でいいよ。」
2人の挨拶にそう返すと
「わかった鈴な。」
「けっ。誰が呼ぶかよ。」
と2人、それぞれの返答がかえってきた。
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