□5.治療
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鈴が教室に戻ったときにはもう既に、1時間目は終わって休み時間だった。
頬の血は軽く止まっていたが、傷跡は痛々しいものだった。
「鈴ちゃん!?ほっぺたどうしたの!?」
教室に入ったとたん、ツナと山本が近寄ってきた。
「ん?…あぁ…そんなに心配しなくても…。学ラン少年にやられたんだけど……。彼は何者?」
鈴の言葉を聞いて驚くツナ。
「学ランって…もしかして風紀委員の人―――!?」
「もしかしなくても風紀委員なのなー」
「風紀委員って…あんな戦闘狂が居ていいの?」
その言葉でさらに顔を青くするツナ。
「戦闘…狂…?」
「それって雲雀じゃねーか。トンファー持ってなかったか?」
鈴は少し考えて。
「あぁ。トンファーだった。この傷もそれでやられたし…ね。」
そういいながら、会話中に固まりかけていた傷口を触る。

ガリッ。

「「「あ。」」」

せっかく止まりかけていた傷口から、再び血が流れ出していた。
「引っ掻いちゃった。」
今にも語尾に『てへっ☆』とでも言いそうなノリで言った。
「痛くねーのか?それ。」
のんきな山本的発言。
「バ、バンソーコッ!ってか保健室っ!!」
まともな慌て方。というより慌てすぎなツナ。
「ほっとけば止まるよ。そんなに痛くも無いし。」
「でも一応っ!」
そういわれて3人でやってきたのは保健室。
授業開始まで後五分。
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