透明な声

□私の心はガラス製なんです。
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「ベルさーん。」


「あ゛ぁ?」


「ちょ、睨み利かせないでくれます?」


「お前見てたらつい・・・さ」


「甘酸っぱい学園love storyっぽく言っても意味無いですよ。」


「何でそんなにラブストーリーの所だけ発音いいんだよ。」


「私、love storyの発音には自信があるんです。」


「そんな所に自信持つなよ。」


「自信を持つことは大切なことじゃないですか。」


「場所を選べって。
 てかさ、ずっと思ってたんだけど幽霊に触れないってさなんで?」


「んー・・・私の憶測ですが、聞きます?」


「じゃあ・・・暇つぶしにでも聞こうかな。」


「しょうがないですねぇ、そんなに聞きたいんでしたら聞かせてあげましょう!」


「やっぱいい」


「そんな冷たい事言わないで!!」


「なら、さっさと話せ。」


「・・・じゃあ話しますね。
幽霊の世界・・・いわゆる幽界とこの人間の世界の関係はフィルムみたいなものだと思うんです」


「フィルム・・・?」


「そうです。人間の世界は色がついたフィルム。
 幽界は透明のフィルムです。透明だから見えていても触れることは出来ない。
 なぜなら、別々のものですから。」


「・・・なるほど。
 じゃあポルターガイスト現象とかは?」


「アレは・・・こちらの世界が主導権を握っているから・・・ですかね?」


「わかんねえのかよ。」


「私が世界の創造主なワケじゃないですし。」


「お前が想像主だったら世界崩壊するだろ」


「何ですか、ソレ。私を侮辱してるんですか?」


うん。


「認めちゃいましたよ。私の人権は?」


「お前人じゃねえだろ。」


「幽霊にも心はあるんです!しかも私の心は特別でガラス製なんです!」


「さて、テレビ見ようかな」


「スルー!?」






(ほら、コナン君始まるぞ。)(え!?ちょ、テレビィィィ!!)(単純な奴・・・)



  

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