有神論

□覚醒
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ビーチェを裁いたあの日から数週間が過ぎた。


僕は幹部達と慣れ合おうとは思わない。

一緒に御飯を食べることも無ければ、任務を共にすることも無い。

滅多に口も聞いていない。
でも、よくご飯の誘いが来る。居留守してるけどね。

「退屈だ。」

部屋の中で独り、呟いた。

今日は任務がない。

話によると他の幹部達も休みらしいけど僕にとっては如何でもいい事だった。

暫く溜まっていた本も読んでしまい、やる事が無いため武器の手入れをすることにした。

僕は武器が大量にあるから、結構時間が掛かる。

殆ど使わない武器の方が多いから特に問題はないけれど。

とりあえず、メインの武器を磨く事にした。

最近忙しかったからかなりやり甲斐がある。

メインの武器が終わり、リングも磨き終えた所で一息着こうとした時。


ドカーン!!


爆発音と崩壊する音、それから屋敷が揺れた事で僕は
敵が攻めてきたんだな。と確信した。

武器とボックス、それからリングを腰につけて部屋からでる。

談話室へ向かうと其処にはいかにも
「うわー。焦ったぜー。何だよ、これ。敵?」
みたいな雰囲気を醸し出している幹部達の姿があった。ボスもいる。

僕が歩いてくるのが分かると、少し複雑な顔をしているのが見えた。

「何があった?」

「分からねぇ…敵が攻めてきやがったみてぇだな。」

うん。そう判断するのが正しいよ。

無数の殺気を感じる。

僕は駆け出して喧嘩をしている霧と嵐の幹部を突き飛ばす。


バァンッバアンッバアンッ―――


銃声が鳴り響く。何発か撃たれたみたいだ。

体が所々痛い。重い体を無理やり動かす。

自分のモノと思われる真っ赤な液体が出て行くのが見えた。

幹部達は唖然としている。

「敵は此方に攻撃を仕掛けている。
 雑魚は使えないと思うから、貴方達が動いて。」

僕は指示を出していく。

「………ボスはなるべく待機して。全員、自分の身は自分で守れ。」

そう言って自分の持ち場に歩いて行く。

幹部達が何か言いたいような顔をしていたのも知らないフリをして。

(僕は僕のやるべき事をやる…それだけ。)


  
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