猫広場という場所がある。
厳密に言うとわたしが勝手にそう呼んでいるだけだけど、他に名前の付けようがないのだ。
山に作られたこの町には、野良猫が多い。ボランティアで猫の去勢手術が行われているくらいに、猫が多い。
わたしの大学にも猫は出没する。
そんな野良猫がたくさんいるのが猫広場。山を登った途中にあるその広場は、ちょっとした暇つぶしをするのに最適だ。
そんなわけで、わたしはよく猫広場に行く。猫が好きだからと、暇だから。
今日も猫広場に向かいながら、今日はどんな猫と出会えるかわくわくしていた。
そう、どんな出会いがあるか、わくわくしていたのだ。