カナリア
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リーグから呼び出されたのは昨日の夜だった
「新チャンピオンの実力を知りたいから、彼女と戦ってほしい」と
バトルは好きだし、今騒がれている新チャンピオンとも会ってみたいから、ボクは二つ返事で答えた
それをお兄ちゃんに言えば、なんとお兄ちゃんも呼ばれたらしい。しかもチャンピオン直々に
コトネも呼ばれたって言ってたから、殿堂入りした人は全員呼び出されているのかな?だとしたらシルバーさんも?
「予定狂ったな。明後日はデパート行こうと思ってたのによ」
「明後日?明日じゃないの?」
「いや、明後日だったぜ」
「…もしかして1人ずつなのかな?」
「なんだっていいぜ。強い奴ならな。前のチャンピオンは歯応えなかったし」
期待せずにいくか
そう言ってバクフーンを見上げれば、バクフーンは同意するように一声鳴いた
お兄ちゃんは強い
ワタルさんは、ボクやコトネ、シルバーさんが苦労してギリギリで倒せた人なのに、あっさり倒してしまったのだから
「ゴールド兄ちゃん達なら、新チャンピオンも楽勝だね!」
「あったぼーよ」
自信満々なお兄ちゃんと、さも当然とばかりに胸をはるバクフーン。息がぴったりすぎて、思わず笑ってしまう
すると下で、お母さんがお兄ちゃんを呼んだ
なんだか怒っている声色だ
ゴールド兄ちゃんはあっと声をあげた。どうやら思い当たる節があるみたい
顔を真っ青にし、急いでバクフーンと下へ降りていった
静かになったお兄ちゃんの部屋から、自分の部屋へ戻ると、急に不安が襲ってきた
それを察したマリルが、慰めるように鳴く
「頑張ろうね、マリル」
元気よく頷いたボクの相棒
ボールのポケモン達もボクを元気つけるようにカタカタと激しく揺れていた
その振動はどこか心地よくて、気がつけばボクの不安は何処かへいった
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