カナリア

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ギシリとスプリングが軋んだ音が聞こえた

見慣れたくすんだ白を見つめていれば、今日の出来事が嫌なくらい頭に浮かんでくる

ほぼ一撃で倒されていく、自慢の相棒達
急所に当たりやすくなる道具を持たせているのではないか、と一瞬考えたが、そんな道具を持っているようには見えなかった。それどころか、よくよく思い返せば、攻撃は急所に当たってなかったのだ

実力の差を見せつけられ、手も足もでなかった
バトルには人一倍自信があったからだろうか、負けた事を認めたくない

ーーー悔しい

ぽっかりと穴が空いたような、虚しい気持ち
こんなのは初めてだ

「かっこわりぃなぁ…」

あのバトルから1週間が経つが、オレは未だに立ち直れていなかった

いつまでもウジウジしても仕方ない
だが、平然を装えば装う程、押し込めていた悔しさが込み上げてきて、邪魔をする

母さんやヒビキは、そんなオレの気持ちを察して、深くは追求してこない
相棒達は申し訳なさげに鳴く
違う。お前達の所為じゃない。お前達は頑張ってくれた
オレが適切な指示を出せなかったから…

「……ごめんな。本当にごめんな」

喉から出た言葉は、自分でも驚く程震えていて、弱々しい掠れた声だった












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