「・・・―えっ」
授業中。
驚きのあまり変な声をあげてしまい、皆の注目が先生から俺へと一気に注がれ始める。
「猪上、どうかしたか?」
「な、何でも無いです」
俺に対する興味に満ち溢れた視線や軽蔑するような視線が、再び黒板に向かう先生へと注がれる。
それを確認してから、俺は再び机の下でこっそりと携帯を開く。
(あいつ、いつ変えたんだ?)
待受画面に写る艶やかな黒髪と大きな瞳の少女が、こちらにピースサインを向けていた。
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