ネタ

□SS
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ああ、今日もだ。あの子はいつもここに来て泣いている。村の人たちから非難されて、心優しいこの子は自分を責めるのだ。今日もまた、私はあの子の側へ向かう。


「スター、どうして僕はこんなに弱いんだろう。チビでひ弱で泣き虫の臆病者。どうして父さんみたいになれないんだろう。どうして僕は生きてるんだろう?母さんは気にするなって言ってるけど、本当は僕のこと疎んでるの、知ってるよ。」


私に向かい、弱音を吐く。ああ、何故、何故村人はこの子を厭うのだ。この子が弱い?この村で一番強いのはこの子なのに。「強さ」の意味を取り違えている村人こそが弱いのだ。自分の「弱さ」を認め、受け止められることが強さなのに。今はいないあの男もそう言うだろう。彼奴はこの子を愛していた。彼奴の宝だった。あの女は何故気づかない。彼奴が選んだ人間なのに、何故この子の強さ、優しさに気づかない。何故


「僕なんて…いない方が」


私はこの子に身を寄せた。そんな悲しいこと言わないで。たとえ村人に理解されなくとも、私たちは理解しているから。みんな君のことを愛しているから。


「ふふっ、くすぐったいよ。慰めてくれてるんだね。ありがとう。僕も、みんなに認められるように頑張るね」


泣いた為、目が少し腫れている。痛々しい物だったが、この子が笑うと世界が一気に明るく、綺麗なモノとして見える。彼は村の別の仕事に戻っていった。


人ならざるモノに愛された少年


ああ、バクシャー係のローワン。君に幸あれ!



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どマイナーすぎて誰得ってのはわかっている。
バクシャーのスターが好きすぎて生きるのがつらかった。
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