イナズマイレブン(L)
□もう大丈夫。吹雪兄弟
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「ねぇ?…アツヤ」
そう問いだすかのように優しくいいながら僕は心の中で囁いた。
僕にはアツヤという弟がいた。
アツヤの性格は僕とまるっきり正反対で
僕が困っているときはアツヤが助けてくれる。
アツヤが困っているときは僕が助けてあげる。
そうやって僕達はお互いに支え、助け合ってきた。
けど、僕達を引き離したあの…雪崩が僕たちを壊した全ての始まりだ。
それは…
遊びの帰り道、家族の楽しい会話の中
車で山道を走っていたら、
パラパラッって白い玉が落ちてきたから
『雪でも振ってきたのかな?』
と心の中で思っていたけど、急に上から大きな雪崩れが僕たちの車に向かって落ちてきた。
『―――――っ!?!』
ハンドルをおもいっきり回してしまいコントロールを失ってしまった。
気付いたらベッドのなかにいた。
「……ぅっ」
まだ意識が朦朧としている…
「ぉ…おかあ…さん?」
「ぉ…とう…さん?」
手を伸ばしながら微かに出る声をめいいっぱい振り絞った
けど、誰からの返事もない
そこに通りかかった看護婦さんが吹雪が手を伸ばしているのに気がついた
「吹雪君!?
…先生!!!吹雪君が…!!!」
すぐに先生を呼びに行った看護婦さんだったが士郎にはまったく聞こえなかった。
「アツ…ャ」
ぁ…また意識が遠くなる...