My micro ADVENTURE

□伝説の勇者♯1
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―ペチッ…パチパチッ

「あ、起きたっ!」
「んぅ……んっ!?」

頬を叩かれて目を開ける。
と、目の前には羽の生えた人が…

「…ヤバイな、人間に羽が生える時代になるまで気絶してたのか…。」
「何言ってんの…?」

羽の生えた人は、訝しげに俺の顔を覗き込む。
首の辺りで外側にクルンと丸まっている髪が可愛らしい。

「あのさ、ここ…どこ?」
「ミニマム星。」
「お前は誰?」
「ハミル。」

うん、ホントにヤバイな。
ハミルとか言うヤツの言ってることが理解できない。
頭打ったのかな…。

「じゃあ質問変えるよ。お前は何?」
「見ての通り、妖精よ。」

あー…やっぱ頭打ったな。
幻聴聞こえるよ、自分のこと「妖精」とか言ってるように聞こえるよ。
早く病院行かないとな…。

「ねぇ…どこ行くの?」
「いや、ちょっと病院に…ってことで、起こしてくれてありがと、じゃあな!」
「待ちなさいよ。」

立ち上がって歩こうとした俺の腕をハミルが掴む。
…ん?あれ…?

「ち…ちっちゃっ!」
「妖精なんだから当たり前でしょ!おっきかったら気持ち悪いじゃない!」

ハミルは…俺の手のひらくらいの大きさしかなかった。
あらためてじっくりハミルを見直すと、確かに漫画とかゲームとかに出てくる妖精そっくりだ。
小さい体も、背中の羽も、とがった耳も、手に持った魔法のステッキみたいなやつも…。

「もっかい聞くけどさぁ、…妖精?」
「妖精。」
「で、ここは?」
「ミニマム星。」
「地球じゃないのか?」
「うん。」

うん、ホントのホントにヤバイな。
だって…ハミルの言ってることが理解できそうなんだから。
こんなよく分かんないこと、理解できない方がまともだった。

…俺、一体どうなっちゃうの!?

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