ブック10

□トレイン トレイン
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いつもの時間の
いつもの電車。
今日も車内は満員御礼。



人と人に押されながら、短いようで長い時間を過ごす。




「ぅわっ」



ガタン!と電車が大きく揺れて、僕はよろける。



「大丈夫ですか?」



クスクス笑いながら、彼女は尋ねた。

僕は軽く口を尖らせて頷く。






あの日から、僕たちは自然と一緒に登校するようになっていた。




高校2年の夏。






【トレイン トレイン】










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