ブック8
□春空下の約束
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さわさわと春の風が吹いた。
それによって遊ばれた薄紅色の髪が優雅に舞うのを見て、
一人の男子高生がうっとりと目を細めて隣の友人に話しかける。
「あんな子、この学年にいたっけ?」
「ああ。この前転校してきた子だろ?」
「ふーん、転校生か。
…ちょっと、良いな」
「だめだめ!何言ってんの、お前」
ポッと頬を染める男子高生に、友人は手のひらをヒラヒラ振って呆れたように言う。
「彼氏、いるんだってさ」
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