ブック8

□バッカーノ ラブ
2ページ/7ページ




「会わせたい人がいる」
と言われたのは今朝の事だった。
真剣な表情で、不安げな目をしたカリダを見て、キラは一瞬でピンときた。
「会わせたい人」、それは、カリダが結婚を望む男のことだと。
カリダにそういう人がいることを随分前から薄々と感じていたから。


キラはカリダを安心させる様に、笑顔で頷いた。
「僕も会ってみたかったんだ」と。

するとカリダは頬を赤くし、ありがとうと微笑んだ。

彼女はキラにメモを手渡し、口調を強めて言う。


「今日6時に彼の家に招待されてるの。遅れちゃだめよ?」


「分かった。学校終わったら直で行くよ」


「本当に遅れないでよ?」


「分かってるってばー」



キラはメモをポケットにしまい、家をあとにしたのだが。







授業が終われば直ぐに帰るはずが、ついつい友人との談笑を楽しみ過ぎて、
気付けばすでに6時を回ってしまっていた。



「アスランの手伝いをして遅れたことにしようっ。うん、アスランのせいだっ」











次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ