ブック8

□小さな愛を恋しい君に
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「良かった。
ちゃんとご飯食べてるんだなっ。安心したよ!」


「…え?」



ラクスは首をかしげた。
カガリは凛々しく上がった眉を少し下げ、
寂しげに微笑む。



「ラクス、シーゲルおじさんが亡くなってから、ご飯ちゃんと食べてなかっただろ?
すごくやつれていって、無理して笑ってたのが私でも分かる」




カガリの言葉を聞いて、ラクスの脳裏に
少し疲れた顔の、優しそうな男性の姿が浮かぶ。

先々月に事故で還らぬ人となってしまった、たった一人の家族。
最愛の父親。


彼が死んで、まるで心が死んでしまったかのようにラクスは笑わなくなった。
何もする気が起きず、食事を摂る気にもなれなかった。





それでも、あの雨の日にラクスと同じように震えていたキラと会えて、ほんの少し、ちゃんと笑えるようになったのに。












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