ブック8
□小さな愛を恋しい君に
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家に帰ったラクスは、部屋の電気もつけずにソファーに倒れ込んだ。
部屋に射していた朱が、藍に変わろうとしてもラクスはそのまま動かない。
「……………」
何もする気になれず、ラクスは両腕で視界を覆う。
そして、そのまま朝まで眠るのだ。
三日前から、ずっとそうなってしまっていた。
あの人が死んで、あの子もいなくなってしまって…。
ポタリと涙が流れ、ソファーに落ちた。
「…お父様、キラ…」
なんで、どうしていなくなってしまったの?
―ピンポーン…
静かな室内に、チャイムの音が大きく響く。
ラクスは目元をグイッと拭って起き上がった。
。