ブック8

□約束 春空の下
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助けを求めて後ろを見るが、トールはキラと目が合わないように
明後日の方向を見ていた。




(トールの薄情者〜!)



ワナワナと震える手を抑えながら、キラは前に向き直る。




「キラ」




そこへ、フレイの腕からスルリと抜け出したラクスがキラの元へやって来た。




「ラクス…」



すぐ側に感じるラクスの空気に、キラの心臓は本人の意思を無視して跳ね上がる。





「キラ」



ラクスは噛み締めるように、キラの名前を呼ぶ。

彼女の瞳が僅かにゆらゆら揺れているのに気が付いたキラは
心がギュウッと締め付けられたように、苦しさを覚えた。



「…キラ」



「うん…」



大切そうに名前を呼ぶラクスに、キラはゆっくりと応える。










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