ブック8
□秋空下の約束
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「…つまんないなぁ」
無機質な天井を見上げながら、キラは溜め息をついた。
つい数週間前まで大きなギブスがはめられていた右足は、今では特に何も巻かれてはいない。
「なんで、あと一ヶ月もいなくちゃいけないんだろ」
ゴロンと横を向いて、キラは太陽に照らされ始めた外を見る。
二ヶ月前。
長いようで実は短い夏休みも、あと数日を残すほどになったころ。
『引越しぃ!?』
顎が外れてしまうかと思うくらいに口をあんぐりと開いたキラをみて、
彼の両親は穏やかに微笑んだ。
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