ブック8
□秋空下の約束
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『急で悪いんだけどな、お父さん、9月から転勤するんだよ』
『すごいのよぉ、お父さんったらそこの会社で主任になるんですって』
『………っ』
驚くことに、すでにこの時キラの転校の手続きは済んでおり、
新天地への移動の準備はすべて完了していた。
まだ小学5年生のキラは一人暮らしなど出来るはずもなく、
住み慣れた地を離れることとなる。
「ふっ…、僕ってなんて不幸なんだろう」
ベッドに寝転がりながらキラは自嘲した。
引越し当日。
新しい我が家に家具などを搬入する作業が何時間か続き、
体力の限界を感じたキラは近くの公園で休憩をとっていた。
『そろそろ戻ろっと』
そういって、公園から飛び出した直後…
キラは3トントラックに撥ねられた。
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