ブック10
□01
3ページ/16ページ
―カシャッ
「?」
―カシャ、カシャッ
「良いね、その表情。」
しっかりとした形の、黒いカメラを構えた青年が私を見ていた。
「…何してるんですか。」
「写真撮ったんだよ。」
彼は、にっこりと笑う。
その笑顔が
彼女に重なって見えた。
「あっ、連絡先教えてよ?現像したら送るから!」
…何なの、この方。
「結構です。それより、勝手に写真を撮るなんて失礼じゃないんですか!?」
「減るもんじゃないんだし、いいんじゃない?」
「あの、貴方は…っ」
「キラ・ヤマトだよ。」
失礼な態度に、彼を怒鳴りつけようとした私に
彼はゆっくり笑って告げた。
「カガリの双子の兄です。…葬式、始まるね。」
腕時計に目を通した後、彼は一人さっさと歩き出した。
それが
貴方との最初の出会い。
→