ブック10

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―カシャッ







「?」







―カシャ、カシャッ







「良いね、その表情。」







しっかりとした形の、黒いカメラを構えた青年が私を見ていた。







「…何してるんですか。」




「写真撮ったんだよ。」




彼は、にっこりと笑う。








その笑顔が
彼女に重なって見えた。







「あっ、連絡先教えてよ?現像したら送るから!」








…何なの、この方。







「結構です。それより、勝手に写真を撮るなんて失礼じゃないんですか!?」





「減るもんじゃないんだし、いいんじゃない?」







「あの、貴方は…っ」
「キラ・ヤマトだよ。」








失礼な態度に、彼を怒鳴りつけようとした私に
彼はゆっくり笑って告げた。






「カガリの双子の兄です。…葬式、始まるね。」










腕時計に目を通した後、彼は一人さっさと歩き出した。










それが
貴方との最初の出会い。








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