ブック10
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お経が響くなか
しめやかに行われた葬式は
長かったような
短かったような…
親族席に目を向けると
彼…キラが先程会った方と同一人物とは思えないほど背筋を伸ばし、カガリさんの写真を見つめていた。
夜、さっきのお葬式とは正反対に騒がしい食事の場。
「ちょっとラクス。お葬式の前、どこ行ってたの?」
少しだけ酔ってるのか、顔を赤らめたミリアリアさんとディアッカが隣に座る。
「二人で探してたんだからな!」
「あら、ごめんなさい。」
ふと、周りを見回す。
キラがいない…。
ミリアリアさんとディアッカさんに頭を下げて、その場を立った。
彼はどこへ行ったのか…
カガリさんの実家を少しウロウロしてみる。
「………うん…。」
「……あ…?」
いた。
月明かりに照らされた庭に、キラが携帯電話で誰かと話ながら立っている。
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