ブック10

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「おいしいっ。」




「でしょ?」






僕達は
僕がプラントで見つけたケバブの美味しい店に来ている。






「プラントでは、この店が一番だね!」




僕は自慢気に言ってみる。彼女は、クスクス笑う。





「でも、やっぱりカガリと小さい頃食べたケバブが一番美味しいけど。」






彼女は一瞬、困った様に笑った。





「お父様に連れてってもらった?」


「うん、そう。オーブにあるから滅多に食べに行けないけど。」






僕は、自分達がケバブの店にいるのにも関わらず
オーブのケバブの店について熱く語り始めてしまった。






彼女はその話を笑いながら聞いてくれていた。



「私も食べに行きたいですわ。」と、彼女が言うもんだから、
調子に乗った僕は
「じゃぁ、一瞬にオーブに行こうよ。観光案内もしてあげるよ。」
と、言ってしまった。





これまでの経験上…と言っても二回しかないが、僕がこういう事を口にすると
彼女は決まって気分を害する。








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