ブック10

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車を飛ばして10分。
前方に品の良いドレスを着た、赤い髪の女性がこちらに手を振っていた。





「待った?」


「ううん、平気よ。」




フレイは助手席に座り、僕の頬にキスをした。




「今日は会社のパーティじゃなかったの?」


「だって、つまらないんだもん。気分が悪いって言って出てきちゃった。」





アップにしていた髪を下ろし、溜め息を吐く。




「さて、どこに行く?」



「そうねぇ…。ずっと、このまま車の中にいるのも良いんじゃない?」





そう言うと、彼女は僕の首に腕を回した。






フレイはプラントでも有名な大企業の社長令嬢で
普通なら一般人の僕なんかと出会う事さえないはずの人。


でも、彼女のお父さん…ジョージ・アルスターが、カメラ好きだったために僕達は出会って
今、婚約者という関係にある。








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