ブック10
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「まぁ、フレイさんの指輪可愛いですわね!」
「ふふ、キラが買ってくれたのよ?」
それは、僕とフレイが付き合ってすぐ。
デートを楽しんでいたら、フレイが急に立ち止まって
すぐそばの出店の前にしゃがみ込んだ。
『どうしたの?』
『見て、キラ!可愛い!』
彼女が手にとったのはターコイズの指輪。
彼女が最初に僕にねだった物。
すごい安物で
ブランド品で身を包んだフレイには似合わない。
なんだか、申し訳ないと思っていた。
『いいの!キラが買ってくれたんだからっ』
あれからフレイは、どんな時だってそれを外さない。
バックも服もアクセサリーも数万はしてるのに、指輪だけが千円ちょっと。
変わったお嬢様だ。
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