ブック10
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「何それ!ひどい!!」
居間の机をバンッと叩いてミリアリアさんが叫ぶ。
「ラクス、毎晩寝ないであんなに頑張ってたのに!」
仕事を終え、家に帰ってきた私は
苦しい胸の内をミリアリアさんに吐き出した。
「もぉ〜!カガリのお兄さんって、そんな人なのぉ!?」
違う…
キラは“そんな人”ではないはず。
私が何かいけない事をしてしまったの?
彼にとって、嫌な事をしてしまったの?
「もう、そんな人の事なんて忘れちゃった方が良いわよ!」
「…でも…」
「でも?」
「…心配…なんです」
怒らせてしまった。
嫌われてしまったのかもしれない。
それでも、彼のために何かをしたいと思う気持ちが溢れる。
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