ブック10

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時が止まってしまったのかと思った。




なんだか、とても長い間
僕はラクス先生を見ていた気がする。






「…キラ…?」




花とラクス先生の香りが鼻をくすぐる。




「ちょっと買いすぎちゃいましたけど、これだけあれば賑やかで良いですよね〜」




フラフラした足取りで、彼女は家に続く石階段を登った。





離れていく香りが、僕の意識を取り戻す。




「あ…持つよっ。」




そう言うと、ラクス先生は僕に微笑んで「では、半分こしましょう」と言った。









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