ブック10
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ラクス先生の言葉に、母さんは辛そうに目を瞑った。
僕は、母さんのあの表情を知ってる。
父さんが死んだとき
カガリが死んだとき
そして、僕の病気を知ったとき―…。
「…もし、もしもまた花が枯れてしまったら、わたくしを呼んでください。
またこの庭に、たくさんの花を咲かせてみせます。」
ラクス先生は、辛そうに目を瞑っている母さんにそう言った。
母さんは、ゆっくり目を開いて、笑った。
「ありがとう」
それに応えて笑うラクス先生。
泥だらけで、髪もボサボサなのに
僕は彼女がとても美しくみえて、堪らずシャッターを切る真似をした。
手で作ったカメラの中心にいるラクス先生。
あなたの写真が撮りたい…。
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