ブック10
□プレイボール
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「君に、聴いてほしい話があるんだ!」
「はなし…?」
みるみる内に赤くなっていくキラの顔に、ラクスはまた首を傾た。
「すごく、大切な話…」
「た…いせつな話…ですか」
気まずそうに目を泳がせるキラは、いつの間にか耳まで真っ赤に染め上げている。
「……っえ…?」
そんな彼の様子に、ラクスはキラが何を言おうとしているのか悟る。
「あ、えっと…今?今聴いたほうが、良いのでしょうか?」
顔に熱が集まっていくのが分かる。
「……ったら」
「え?」
ボソボソ呟かれた言葉を聞き取れず、
ラクスは前へ歩き出す。
5メートルあった二人の距離は3メートルに縮んだ。
「甲子園で、優勝したら…答えを聴かせてほしい」
「……はい、わかりました」
真剣に揺れるアメジストの瞳に囚われたのか、ラクスは直立不動になる。
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