ブック10
□プレイボール
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―カサッ
手紙を開いて、
丁寧に並べられた言葉を目で追っていく。
その間、キラの表情は柔らかく、とても嬉しそうに見えた。
「……………」
(わたくしのこと、好きって言ってたくせに)
意識していないのに、眉間に力が入る。
キラは手紙を読み終わると、それを丁寧に折り、ユニフォームのポケットにしまう。
それが何故かムッとして、ラクスは不機嫌な声を発した。
「お手紙をくれた女の子達、皆さんとても可愛らしかったですわよ」
「…、そうなんだ?」
彼女の不機嫌な声に、キラは首を傾る。
「お返事、書いてさしあげたら?とても喜ぶのではないでしょうか」
「…ラクス?」
「メールアドレスも書いて差し上げたら、もっと喜ばれますわね」
ラクスは薄く微笑んで見せる。
すると、
「何、考えてるの」
紫の瞳が剣呑に光って、ラクスを見つめていた。
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