短篇
□ENDLICHERI
1ページ/8ページ
。。。ENDLICHERI(キラフレ)
『なら…私の想いは、あなたを守るわ…』
−…そうきみがぼくを救ってくれていたように。
もしもきみに、届くなら。
光、いつかきみに。
…ぼくが、還せるように。
。。。
「キラ」
かける声は細くて、強い。
紅く長い髪が触れる。
「ん、…」
幾度となく繰り返し重ねられる唇。
体温で安堵して、繋がりで忘れて。
「…キラ…」
「…ん…っん、フレ、イ…」
…どうして…。
きみは…ぼくを好きになったの…?
灰暗い部屋に広がる湿気を含んだ響音。
「…ぁ、…ん、ぁっ、…キラ…ッ」
「っ…は、…ッぁ…はぁッ」
脳感覚が、麻痺する。
そのまま、突き上げて。
内を、求め溢れて。
揺れて、摘み溺れる。
「ぁ…っぁ、はぁ…ッ、く…」
頂に、快感が奔る。
…もう、後戻りできない。
「…ゃ、んッぁぁ、ィ…んっ…ぁ…キ、ラ…ッ」
「はあ…ッく、っあ、ぁ…ぁっ…ぁぁッ!」
…求めては吐き出して。
快楽だけはどこまでも果てなく。
。。。
「…ん……、…」
一糸纏わぬ互いの体温で、知らぬ間に二人は眠っていた。
キラは伸びた睫毛を震わせ大きな瞳を薄く開ける。
隣にある、穏やかな寝顔。
腹までかかった布を肩隠す程度に引き上げる。
「ん…」
すると彼女は寝呆けながら白い細身を寄せてきた。
「…フレイ…」
頬に触れる優しい指。
甘い低声。
紫水晶の瞳は心情を映して淡く揺れる。
きみは…ぼくを好き…?
ぼくは…きみが好きだよ。
きみのそれが、寂しさからでも。
ぼくときみは…似てるんだろう。
寂しくて、孤独から逃げたくて。
悲しみと怒りを昇華する術を知らなくて。
だけど似てるから、好きになったわけじゃない。
ぼくは、きみを泣かせたくない。
それだけなんだ。
。。。
…光がきみに届きますように。
たとえばぼくが戦いに疲れて。
きみのもとへ、帰れたら。
『キラ…』
守りたい、その微笑で。
『…フレイ…』
ぼくを、待ってて。
。。。END…