秘密の部屋

□第17話 屋敷しもべ
4ページ/4ページ








「危険がせまっています」







屋敷しもべのドビーがそう言って私の前から姿を消した。





私はとりあえず、いつもと変わらず食堂でみんなと夕飯を食べ、みんなと何気ない会話で盛り上がった。





が、内心はドビーの言った事が気になって気になって落ち着かない。













夕飯も食べ終わり、みんなそれぞれの部屋へ戻って行く。

私は、誰もいなくなった事を確かめ、後片付けをする園長先生に話をした。





「先生。私、今すぐにホグワーツに戻りたいんです」




園長先生は手を休めず私の話を聞く。



「おや、気が早いですね〜。何かいいことでもあったんですか?」






「屋敷しもべが現れて…ホグワーツに危険がせまってると…」





そう言うと、片付けをしていた園長先生の手がピタリと止まった。





「屋敷しもべ…ですか?」



先生は私の方に顔を向けて話し始めた。



「その屋敷しもべはどのような危険が迫ってると言ったのですか?」


「…内容までは…。でも、私の…私の友達に危険がせまってると…だから私、なんかいても立ってもいられなくて…」





部屋でドビーの言っていた事もすべて話した。

すると先生は少し驚いた顔をしながら



「ハリー・ポッターですか?」



ハリーの事を話したら最初はビックリした顔をしたが、何かを思い出したように徐々に笑顔になって行き、最後は



「そうですか。あら、そうなの?ウフフ。素敵ね」




なんて言ってる。


当然私の頭にはクエスチョン。



「…せ、先生?」



急にどうしたと思った私に




「あら、ごめんなさい。大事な話の途中でしたね。つい嬉しくなってしまいましてね」




ハリーの名前を言っただけでなぜ嬉しくなったのかは解らないが、今はそこではない。



「そうゆう訳なの先生。お願いします」


「そうですね〜。でもナエ?ホグワーツへ行く為の汽車は臨時はありませんよ?それに…」







それに?


危ない事に首を突っ込むなとか言うのかな?


そんなの構わないと言ってやろう!


そう意気込んでいたら














「まだ二年に必要な教科書買っていないですよ?行くのはそれからですよ」














そっ…そこですか…













ズッコケてしまいそうなぐらい悠長な事を言う先生…。













「まぁ…確かにおっしゃる通りなんですが…」






でもやっぱり心配なんだよな…



そりゃ…いろいろありまして少し気まずい部分もありますが。


でもそれとこれは別の話しだ。











私が悩んでいると先生はニッコリ笑って





「大丈夫ですよ。夏休みはもうすぐ終わりです。あと数日じゃないですか。それに、汽車の中でもお友達にあえますよ?まずは明日、二年生で必要な物をそろえなければ。明日は一緒にダイアゴン横丁へ行きましょう」





マジですか!?


先生も付いてきてくれるなんて凄く嬉しいのだが……





「先生…イギリスは日帰りでは帰れませんよ?」




飛行機乗ってイギリス行ってお買いものしてさぁ帰ろう!

なんてプランは成立しないのが現実。



泊まりで行ったらこの孤児院はどうなるんですか?





と思っていたら凄い答えが返ってきた。





「心配はないですよ。お昼頃行っても夕方前には戻れますからね。あ〜でも一応明日の夕飯の下準備だけはしておきましょうかね〜」





なんて言ってる。





……なんで?




どうして?






不思議そうにしている私に





「そんな顔しなくても明日になればわかりますよ」









どうやら明日までの秘密らしい。





.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ