短編 裏
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─PM10:10
『砂糖…薄力粉…バター…バニラエッセンス?……卵…』
名無しは今ジェリーに厨房の一部を借りてお菓子作りをしていた
必要な材料の名前を唱えながら冷蔵庫や棚から出していく
『えっ?!砂糖と薄力粉ってふるいにかけるの?!』
めんどくさーい!と嘆きながらもそれらの材料をレシピ通りに混ぜていった
『ふぅ…まず生地は完成だね!これをラップに包んで、と…』
生地を延ばしラップに包んで冷蔵庫に入れる
『20分休ませる!』
やり遂げたように満足げに言う名無し
そして電子レンジの余熱を設定して棚からクッキー型を取り出した
─AM10:40
名無しが去った後の厨房に1人の男が立っていた
冷蔵庫を上げればクッキー生地がラップに包まれ置かれていた
「さて…これは誰が作ったクッキーかな…誰にあげるクッキーなのかなあ?」
男はクッキー生地を睨みながら呟いた
そして懐(ふところ)から液体の入った小さな小瓶を取り出して蓋をあける
「………」
ラップをそーっと開け、クッキー生地にポタポタと中の液体を垂らす
ニヤリと怪しく笑い液体が生地に浸透したのを確認して再びラップを元に戻した