- MINHO - 短編
□名前教えてよ
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「ミノ、どこにする?」
「いっぱいありますもんね…」
仕事帰り、僕はマネージャーと
ドラマの打ち合わせのために
夜の街をふらつく
居酒屋があったり、
ホテルがあったり、
カラオケがあったり…
いかにも夜の街だ。
「いつも居酒屋だからな…」
「じゃあバーとかにしますか?」
「お、いいねぇ。そうしよう。」
僕とマネージャーは
ちょっと先に見えた小さなバーに
吸い込まれるように入っていった。
カラン カラン ─…
「 いらっしゃい 」
テーブルは2個だけ
あとはカウンターが5つという
とっても小さなバー。
僕達はカウンターに座り
定員さんをみると
女性だった。
アッシュ系の髪が
とても印象的な、
まさしく大人の女性…
「ここは貴女1人かい?」
「そうなんですよ、1人経営です」
マネージャーは気さくに話し掛ける
「じゃあハイボールくれる?」
「わかりました^^」
フレンチネイルの綺麗な指が
ひとつ、ふたつと氷を入れていく
「レモン、絞りますか?」
「じゃあお願い」
どうぞ、とマネージャーにだして
それをマネージャーは飲む
これは上手い、と
マネージャーは微笑んだ
「あなたは飲まないの?」
「あ…じゃあどうしよう」
ボーッと彼女を見ていると
不意に話し掛けられた
「じゃあ私が貴方に合うの作ってあげる」
そういって彼女は
慣れた手つきで酒を作る
そして僕の前におかれたのは
ヒースの蜜の香りがする
カクテルだった。
「アイリッシュ・キスっていうの」
「へー…」
彼女はそう言って
裏へ行ってしまった
「ミノ、俺仕事入っちゃった」
「え?今きたばっかじゃ…」
「上から今メールきてさ。ほんと悪い、これ払っといてくれ」
マネージャーはそういって
お金を置いて店を出ていった
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