- MINHO - 短編

□僕の姉さんは
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MINO.side



久しぶりに地元に戻れるんだ、そう姉さんに連絡をすると
遊びにおいで、なんて言うから
独り暮らし中の姉さんのマンションに足を運んだ。


チャイムを押す。
すると更にきれいになった姉さんが出てくる。


「ミノー!」

ぎゅむっ、と抱きしめられて。
姉さんの大きな胸に僕は窒息死しそうだ。

「姉さん、苦しっ」
「ミノー会いたかったわ」

ちゅ、とおでこにキスをされて。
姉さんはスキンシップが激しい。弟の僕にも。

「ご飯作って待ってたんだから」

そう言って姉さんは僕の手を引く。
昔から姉さんペースに合わせていた僕は、この感覚にとても幸せを感じた。












「ほら、姉さんソースついてる」
「えーどこ?」

ナポリタンを頬張る姉さんは、口の端にソースをつける。

「ミノとって〜」
「はいはい」

子供じゃないんだから、そう思ってもティッシュで拭いてあげてる僕は。
…こんな姉さんに惚れている。

そんなとき、姉さんが何食わぬ顔で聞いてきた。


「好きな子でも出来た?」

兄弟じゃなければ。
きっと。


「…できないよ」

伝えられたのに。



プルルル、 プルルル─…

『はいもしもし!』

姉さんはベランダへ消えていく。



「姉さんが…好きだよ」


この思い、
伝えられなくて─…




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