- TAEMIN - 短編
□暗黙の了解
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YOU.side
ガタン、ガタン・・・と30分電車に揺られながら私は緊張している。
なぜなら次の駅で
『〇〇駅〜〇〇駅です』
都会の駅。
ここは人がどっ、と押し寄せて入ってくる。
毎日、同じ時間。
ここの駅から乗る美少年の学生。
必ずきまって、私の前に立つんだ。
(あ、今日は違う匂い〜…)
社会人の私が学生に恋をしているわけじゃない。
ただこの子が…美少年すぎて…
見とれてしまう。
次の駅で彼はおりる。
私はまだぽけーっと彼を見ていると、すっ…と自分の携帯画面を私に向けた。
“ お姉さん毎日毎日よく見飽きないね。
・・・・@docomo.ne.jp ”
え?と顔をあげると、彼は学生のくせに妖艶に笑っていた。
私があたふたしていると、早くうつせというように携帯をずいっ、と前に出した。
『〇〇駅〜〇〇駅です』
言葉を交わさないまま、彼はおりてしまう。
私の携帯には、彼のアドレスが残っていた。
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