- JONGHYUN - 短編

□ネクタイ
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YOU.side




気まぐれ屋さんの私はジョンヒョンに予告もせず宿舎に行くとタイミングがいいのか、靴は彼のしかなかった。




「ジョンヒョーン!」


勢いよく彼の部屋のドアを開けると、全身鏡の前でスーツ姿の自分を見ていた。



「姉さんいらっしゃい」

「もっとびっくりしてよ」

「だっていつもいきなりじゃん?」


くすりと鼻で笑いまた鏡に映った自分を見る。


「なんでスーツ?」

「今度スタッフの結婚式があってさ」


きゅ、とネクタイをしめて振りかえる。

軽くモデルポーズをとって私にどう?と聞く。



「かっこいい」


うん、筋肉質の彼にはスーツがとても似合うわけで。

おもわず見とれていた。



「そんなにかっこいい?」

「うん、まじでかっこいい」

「なんだか心がこもってないー」

「思ってるって!」



まぁいいけど、とスーツを脱ぎ出すジョンヒョン。

ネクタイにかけた手を私は掴んだ。



「ネクタイってどうにやるの?」

「え?姉さん知らないの?」

「だってネクタイしめるときなんてないもん」



するとジョンヒョンはするっ、としていたネクタイを取りベッドに座る。

下に座れ、と言うように指をさすからジョンヒョンの下に座る。

するとジョンヒョンは後ろから私にネクタイをしはじめる。


「これをここに通してー…」

「うんうん…」

「これで…こう!」

「おお!」


ネクタイはとても綺麗に出来ていた。


「喉乾いたからなんかもってくるけど水でいい?」

「うん、ありがと」



ぱたん、とドアが閉まり私はネクタイを外し今度はひとりでやってみる。


確かここを〜…あれ?


「めんどくさっ!」


いくらやっても出来ない私はついにイライラしだす。

・・・私は子供か。




「あははは!」

「・・・いたの?」

「うん、ずっと見てた」


笑い声が聞こえたから顔をあげるとドアの前で笑っているジョンヒョンがいた。


「ネクタイ難しい!嫌い!」

「もー…いつもそうやって投げ出すんだから」


ジョンヒョンは飲み物をテーブルに置いて私の後ろにまわり

きゅ、と私を抱き締めた。



「必要なときは俺がしてやるから大丈夫」


とくん、と胸が鳴った。



「あ」

「・・・なに?」


ジョンヒョンは子供みたいな笑顔をしてベッドに置いてあるネクタイを手にとる。

この笑みは・・・危ない気が・・・


するとにこにこしながらそのネクタイで私の両手首を縛った。




「姉さん、今日はこのままシよ?」

「Σばか野郎!」




このあとジョンヒョンに重い蹴りを入れたのは言うまでもない。





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