長編


□精一杯の譲歩
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玖蘭枢

大嫌いで死んでしまえばいいと思ってた

否、殺したいと思っていたヤツだ

なのに、今の俺はそんな事を思うどころか玖蘭がいなければ生きていけなくなっていた


玖蘭が必要な訳じゃない
玖蘭が大切な訳じゃない
玖蘭が欲しい訳じゃない

だけど、玖蘭がいなければ俺は生きてはいけない

ただ、それだけだ

あの涙はただの空しさからだ

別に哀しい訳じゃない
ただ、玖蘭が捕らえたくせにほっとかれた事への空しさ

それだけなのに…

俺の胸には穴が開いたような空しさだけが残った



俺は玖蘭の事をどう想っているんだろう…





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