長編
□残る不安
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私が電話で『愛してる』と言ったのは、たった一度だけ
でも本当に私はキルアを愛してる
キルアだけを愛してる
キルア以外を愛したくもない
キルア以外を愛せない
そう言いたいのに…
言葉が思うように伝わらない
言葉じゃ思うように表現出来ない
言葉では表現出来ないくらいに愛してる
キルアはそれを解っていてくれる
私が言えない分をキルアが言ってくれる
私が出来ない分をキルアがしてくれる
それを嬉しいと思うし、もっともっとキルアを愛してしまう
キメラアントの話を聞き、私が知っている情報は全て教えた
だが、キルアの戦っていたキメラアントは私の想像を遥かに超えていた
人間を食べ、動物と同化し、更には念まで使う
キルアが死ぬかもしれない
キルアが消えるかもしれない
キルアが何処かへ行くかもしれない
その考え全てが私の脳を一瞬にして過った
そう思ってしまえば涙が溢れてきた
行ってほしくない
そんな危険な所になど…
でもキルアは言ってくれた
『愛してる』と…
『クラピカがいればオレは死なない』と…
『絶対にクラピカの元に帰ってくる』と…
言ってくれたんだ
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