長編


□悼む心
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『オレを置いて、逝かないで。』


心の底から願った。

死ぬならばオレも一緒に、
逝くならばオレも一緒に、

君が行く先なら何処へでも一緒に行く。
それが地獄だろうと、天国だろうと、

オレは君と一緒に逝けるのならば、それが幸せなのだから、

だから、一人で逝くなんて淋しい事は言わないで。

君にはオレがいる。

淋しいのならすぐにでも君の元へ駆けつけるから。
だからオレより先に死なないでよ、クラピカ……。


君といれるだけで幸せ。
君が生きているだけで安心出来る。

その幸せをくれる君に、オレも何かしてあげたいんだ…。

それが些細な事でも、どんな無理難題でもオレはそれを叶えてあげる。
君がそれを望むなら………。






ねぇ、クラピカ。
それだけでいいの?
たったそれだけの我が侭で…、

君を護る為に強くなり、君を護る為に今、戦っている。

そんなオレが君を置いて、逝くなんて絶対にしない。

君が哀しむ顔はもう、見たくないんだ。

だからオレをもっと頼って。
オレをもっと信じて。

オレは君の為に生きてるんだから…。

でも…、
いつかは死んでしまうかもしれない。

相手は今まで以上の強敵。
死にはしなくても瀕死ぐらいにはなるかもしれない。



だからオレは約束するよ。


『クラピカが死ぬなって言うなら、オレは生きてその約束を果たす。』


生き残る可能性は解らない。
死んでしまう可能性も解らない。

そんな中でオレ達は戦っている。

それでもオレだけは、クラピカとの約束を守るために、どんな事をしても生き残る。

だから、生きて…。


例えその決意が悲劇を招いたとしても…。




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