異世界旅行@パラレル
□並盛探検
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平行世界トリップをした次の日の朝。
つまりは土曜日の朝、ツナは一人っきりの家で何をすればいいか分らず茫然としていた。
「そっか…母さんも、リボーンも、ビアンキも、フゥ太もランボもイーピンも…皆いないんだ……」
存在しないわけじゃないらしいけど、この家には俺一人。
「朝食……どうしよ……」
今は8時半。
普通ならとっくの前にリボーンに蹴り起こされている所だ。
こっちで生活してると、かなり不摂生になりそうだな…なんて、早くも自炊諦めムードに入りつつボーっとしていると、
―ピンポーン
―ガチャ
「邪魔すんぞー」
インターホンを鳴らしたにもかかわらず、勝手にドアを開けて隼人が入って来た。
「ご、獄寺く……じゃなくて、隼人!?」
「おう、おはよ」
「あ、うん。おはよう」
「ほい、今多分ストックないと思ってパン買ってきた」
「ごめん、ありがと」
って、
「違うよ!なんで勝手に入ってきてんのー!?」
不法侵入だよ! と常識的につっこむと、
「あー、そういえば言ってなかったか?俺さ、こっちのお前からこの家の合鍵貰ってんだ」
「Σそうなの!?」
「そうそう」
こっちの俺達、めっちゃ仲いいんだ…。あ、いや別に俺と獄寺君の仲が悪いってわけじゃないけど、合鍵か……。
「……なんで俺が綱吉から合鍵貰ってるか不思議か?」
「えと………うん」
「やっぱ気になるよな。
綱吉はさ、ずっと一人なんだよ。この家では。だから、たまに鬱になって危ない事がある。その時に、無理やりにでもアイツをどうにかするために、俺はこの鍵を貰ったんだ」
「………………」
ツナは何も言えなかった。
学校で聞いた"綱吉"と、今の話に出てきた"綱吉"に、明らかなる違いがあったから。
「意外か? そうだよなぁ…学校の奴らも、ほとんどの奴が綱吉の本質を知らない。綱吉が絶対に見せようとしねぇからな」
困った奴だよー、と言いながら軽く笑って、
「って、言うのは嘘で…」
「秤Rなの!?」
「まぁそんなことはどうでもいい。それ食ったらちょっと行く所あるから」
「行く所?」
どうでもいいんかい!と叫びたいのは山々だが、それをやっていると話が進まないので取りあえずスルーする。
「そ、そ。こっちのお前が休みの日には絶対行ってるところ」
「へぇ…」
「気になるか?」
「うん」
「じゃあさっさと食え!」
「これ全部!?」
隼人が買ってきたパンは、思っていたよりも量が多かった。