〜風の速さで走り抜ける〜

□第1走目
3ページ/8ページ


「じゃあね。」

「なっ!」

待てと言うおうとした時には、青年はボールを持って走り去ってしまった。

自分を抜いたうえに、名乗っていない自分の名前まで知っている。

奴は何者なのか。

火神は立ち尽くしていた。

「        」

火神は遠くから聞こえた声に振り返った。






______________________________________________________

「お待たせ。」

青年の言葉通り、先にコンビニの前までついていた凛之助に青年が言う。

「・・・。」

「あー、何してたか言わないとか。試したんだよ。火神をね。」

「・・・。」

「なんでって。何となくだよ。でも、流石だよ。俺の動きに反応して俺を止めようと動きかけた。」

「!」

凛之助は驚いている。

「面白いね。一年生は。」

「・・・。」

「カントクにバレたら?バレないだろー。だってカントクの家こっちの方向じゃないし。」

「あ、」

「?」

「でも、バレたらフォローしろよ。」

「・・・(汗)」

「出来ない?大丈夫大丈夫。そんなことにはならない。・・・多分。さ、帰ろ。」

凛之助は頷いた。

「あぁ!!」

「!?」

行き成り大きな声を出した青年に凛之助は再び驚いた。

「鞄・・・忘れた。」

青年はしまった。俺としたことが・・・。と続けた。

凛之助はすっと青年の前に鞄を差し出した。

「え?あ、持って行ってくれたのか!ありがとう、凛之助!」

青年は凛之助からバックを受け取った。

「じゃ、帰ろうか。」

凛之助は無言のまま頷いた。

青年たちはすっかり日が落ちた空の下を歩いて行く。














.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ