〜風の速さで走り抜ける〜

□第1走目
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「さぁ、説明してくさるかしら?風間君?」

風間こと、俺。

風間 千歳は体育館の床に正座させられている。

俺の前で腕を組み仁王立ちしているカントクから黒いオーラが見えるのは俺だけだろうか。

こんな状態になったのはほんの15分前にさかのぼる――――

俺は、凛之助こと水戸部 凛之助といつものようにどこかで落ち合って一緒に帰るために凛之助と話してた。

「凛之助ー。今日何時に部活終わんの?」

「・・・。」

「昨日と同じか。じゃあ、今日は俺買いたい本があるから本屋にいる。」

そんな話をしていたら、慎二こと小金井 慎二がきた。

「水戸部ー。千歳ー。今日一緒に帰ろうぜ。」

「OK。」

凛之助も頷いている。

そこにカントクこと相田 リコがやってきた。

「風間君。今日ちょっと体育館に来てくれるかしら?」

「?分かった。」

そして、凛之助と慎二の三人で体育館に向かった。




そして、今に至る。

カントクの後ろでは凛之助がオロオロしている。

そんな凛之助の隣では慎二がカントクをなだめてくれているが全く効果がない。

日向や伊月に助けを求める視線を送っても無駄なようだ。

「うぅ。」

明らかに、俺の立場がない。

すると、俺の後ろにある体育館のドアが開いた。

「あ。」

そこには火神が俺を見ていた。

その隣には見るからに影が薄い青年・・・というよりは少年が立っている。

しかし、火神も隣の少年もカントクの黒いオーラが見えるのか、黙ったしまった。

「ちょうどいい時に来たわ。火神君。昨日のめっちゃ足が速い制服の男の子ってそので正座してる子じゃない?」

「そうだ・・・です。」

ば・・・馬鹿野郎!

さらに俺が崖っぷちに追いやられたじゃないか。

「だそうよ?風間君?」

もういいのがれなんてさせない。オーラがカントクから出ている。

その通りだ。

「私は、昨日なんて言ったかしら?」

「け、怪我を直すのを最優先に・・・。」

だんだん尻すぼみになっていく俺の声。

いや、だって前のカントクが怖いんだ・・・!

「分かってって火神君と1対1をしたのね?」

「・・・はぃ。で、でも、本気は出してn」

「私は、怪我が完全に治るまでバスケはしちゃダメって言ったでしょ!?」


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