Lアキヒカ小説
□仮恋人
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「ちょっと、ヒカル!!アンタどういうことよ!!他に女がいたって…!!」
「あー悪りぃ、悪りぃ。超ゴメン」
「私たち、幼馴染じゃない!なのに…!!」
「だからゴメンっていってんだろー。ホラ、もう終わり!わかれよ?」
「えっ・・・・・・・」
屋上にて繰り広げられる、恋人達の別れ話。
・・・・いや、正確には『恋人』ではない。
『仮恋人』と言った方が、彼には似合っているだろう。
約1週間、付き合っていた幼馴染・藤崎あかりの怒りも
彼には通じなかった。
屋上を颯爽とかけさがる彼の名は、進藤ヒカル。
耳には黒のピアス。
そして目立つ黄色と黒のメッシュ。
首には黒いネックレス。
そして指には、光り輝くゴシック系の指輪。
少なからず真面目とは受け取れない格好である。
しかし、彼は決して『ふまじめ』ではなかった。
何股かけても、女を弄んでも、彼はいたって冷静だった。
彼が思う事はただ一つ。
『つまらない』
それだけだった。
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