Lヒカアキ小説
□Magic
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『進藤ヒカル先輩』
面倒見が良くて、素直で、頼りになって…
でもちょっと、ドジな所や感情的になってしまうところもある。
ボクはずっと彼の背中を追いかけていた――――――……
卒業式間近。
中学三年生の進藤先輩は、今年で卒業してしまう。
ボクはひと学年下だった。
彼にはとてもお世話になった。
入学したての頃、広い校舎で迷っていたところを、彼に助けられた。
初対面なのにタメ口で、親しみやすい先輩だった。
校舎内で逢えば、すぐボクの名前を呼んでくれて、頭をくしゃくしゃとなでてくれた。
その度にボクの髪型が乱れる。
でも彼の手はとても温かかった。
いつの間にかボクは彼に恋心を抱いてしまった。
その感情は『憧れ』ではない。
憧れだけでは足りない。
同じ性を持つボクら。
複雑な気持ちが渦を巻くけれども、この感情は止められなかった。
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